私の研究(臨床心理)

ブログを見てくださっている皆さんこんにちは!担任助手の龍野です🐼

時間がたつのは早いもので、もう12月になりましたね!いかがお過ごしでしょうか?

私は先日までインフルエンザにかかってダウンしていました、、、なかなかしんどかったです、、、

ワクチンをうっていてもかかるものはかかりますので、皆さんも十二分に注意して暮らしてください😭

 

さて、私は大学で心理学を学んでいるのですが、最近は卒論の準備に励んでいます!

そこで、井上先生に引き続き私の研究のテーマを軸に、大学の心理学ではこんなことができるよというのを紹介してみようと思います!

心理学って聞くと「心の相談をする仕事?」というイメージが強いかもしれませんが、実はもっと幅広くて、データや数字を扱う科学的な学問でもあるんです。

私の研究はその一端ですので、こんなのもあるんだ~✨という感覚で見てくださると!

アレキシサイミア傾向とネット依存症

<研究の目的>

まず、アレキシサイミアとは 「自分の感情に気づきにくい状態」 のことです。

例えば、落ち込んでいるのに気づかなかったり理由の分からないモヤモヤを抱えやすかったりします。日本語では「失感情症」と呼ばれることもありますが、病気ではなく“性格傾向のひとつ”という考えで扱われています。

本来、人は気持ちに気づいて
「休もう」「相談しよう」「計画を立て直そう」
など内側で対処できるのですが、アレキシサイミア傾向にあるとこの力が働きにくい場合があります

そのとき頼りやすくなるのが、外側から気分を変えてくれる刺激です。
その代表例がインターネット。SNSや動画は次々と刺激をくれるため、一瞬で不快な気分を忘れられます。

すると
「困ったらスマホ → 気分が紛れる」
という流れが習慣化し、やめたいのにやめられない状態につながることがあります。それがアレキシサイミアという側面から見たインターネット依存です。

私の研究では、この「感情に気づきにくさ」と「インターネットへの依存」がどのように関係しているのかを、大学生のデータから明らかにしようとしている、というわけです。

<方法>

ここからは、具体的にどうやって研究したかと研究の過程を紹介します!

今回は、大学生100名程度にアンケートに答えてもらい、
「感情に関するいくつかの特徴」と
「インターネットの使い方のクセ」を数値にして分析しました。

特別な質問紙(尺度)を使い、集まったデータを統計的に処理することで、
アレキシサイミアのどんな特徴がインターネット依存と関係しているのかを調べています。

心理学では、このように心の動きを数字として扱い、関係を読み取っていきます。

 

分析の過程では、
アレキシサイミアの中でも
「感情に気づきにくさ」「気持ちを言葉にしにくさ」など、
いくつかの要素がインターネットの使い方とどのように関係するのかを検討しました。

詳しい結果は卒論でまとめるのですが、今回の分析を通して
「スマホの使いすぎ」だけでは見えない、感情の扱い方と日常行動とのつながりが見えてきたように思います。

心理学の面白さ

私がやっているような臨床心理学の研究では、
人の心がしんどくなったときの理由や背景を明らかにしたり、それをどう支えるかを考えたりします。

一方、心理学には基礎心理学という分野があります。
なぜ錯視(だまし絵)が起こるのか?⇒知覚・認知心理学

周りの人の雰囲気で行動が変わるのはどうして?⇒社会心理学

といったような、人の心のしくみそのものを科学として解き明かす学問です。


基礎心理が「心を知る道」を深めて、臨床心理が「人を助ける道」を広げます。
全く違うアプローチなのに、どちらも人を理解したいという思いは同じです。

「人間って不思議!」「人の心を知りたい」という好奇心が、いろんな形で広がっていく面白い学問だな~と感じています!

日常の小さな「なんで?」に気づけるようになり、自分自身や誰かの気持ちが前より少しだけ分かるようになるのも、心理学の面白さであり、魅力だと思っています✨

興味がわいた人は是非気軽に話しかけてくださいね🍀

<参考文献>

小牧元, 前田基成, 有村達之, 中田光紀, 篠田晴男, 緒方一子, ... & 久保千春. (2003). 日本語版 The 20-item Toronto Alexithymia Scale (TAS-20) の信頼性, 因子的妥当性の検討. 心身医学43(12), 839-846.

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